勝手に捧げている

はじめまして、SHUと申します。
バーチャファイターシリーズで長らく舜帝というキャラを使ってます。
VF2(サターン版)からなので、もう26年くらい使っているのか。
あらためて数字で書くとなかなかのインパクトですね。

日頃仲良くさせてもらっている山田哲子からバトンを受け取りましたので
バーチャファイター関連の思い出を中心につらつらと書かせていただきます。

若い頃からゲームプレイ以外に大会イベントの裏方とかもやっていまして、
ここ最近はVF5FSのプレイをメインにVF3tbのイベント運営だったり、
バーチャファイターの大会の歴史をまとめる作業をしています。
あと池袋ミカドでテトリス(通称ビグテト)もやっています。
ビグテト面白いですよ、オススメ!脳汁出ます。

■VF3tb世界大会(2014)

■VFRクロニクル

VFRクロニクル

バーチャファイターの世界には元ビートライブ店長の山岸さんが発足させた
VFR(VirtuaFighterRelationship)というコミュニティがありまして、
20年以上に渡る膨大な大会記録やパンフレットが残されているんです。
せっかく残っているものをこのまま廃れさせてしまうのは勿体ない、
きちんとまとめてアーカイブしておきたい、ということで昨年から作り始めました。
現在は『東京ベイアエリアカップ』という1998年から開催され続けている団体戦の記録を
年度ごとにまとめています。当時のパンフレットだけではなく、プレイヤーデータや書き下ろしのインタビュー記事も掲載した内容となっています。
利益はこれまで業界に貢献してくれた山岸さんの年金として貯めていますので、
バーチャの歴史や昔の格ゲーの大会に興味がある方は是非よろしくお願いします!
通販サイト Twitter

「なんでそんな(金にならない)事やってんの?」と言われることは結構あるんですが、
楽しい思いをさせてくれているコミュニティへの恩返し&元々そういうモノを作るのが好き、っていうことに尽きます。

大学入学前に町田アテナの常連となって山岸さんと出会ってしまったばかりに、
学生時代は大会のパンフレット制作やビデオ編集(パソコンではなくデッキで編集)に
かなりの時間を費やしていました。
また、大学卒業後はエンターブレイン(ファミ通の会社ね)の映像企画部というところで
いろんなゲームのDVDを作っていました。そういう経験が今に結びついているのかな、と。
格ゲーだと、GGXXの全国大会やKOF2002の攻略DVDが思い出深いです。
バーチャ関連だと10周年DVDの制作に携われたのが嬉しかったですね。

VIRTUA FIGHTER 10th ANNIVERSARY Memory of Decade

バーチャファイターの10周年を記念して制作されたDVDです。
多くのプレイヤーインタビューでVF4evoまでのバーチャの歴史をギュッとまとめています。
以下こぼれ話。

  • 海外ロケがあり、初めてアメリカに行くことができました!ニューヨークのプレイヤーが開いている大会にキャサ夫さんが招待されたので、その大会の撮影&キャサ夫インタビューをNYで撮影する、という名目で。尺の都合で大会シーンはほとんどカットになってしまいましたが、「NYのVFの大会」という非日常感にかなり興奮!ちなみにキャサ夫インタビューロケ地は自由の女神の足元でした!
  • NYに到着したのは2002年9月11日でした。そう、911テロのちょうど1年後で、空港も街中も超厳重な警備体制。そんな中、カメラやら三脚を大量に持ち歩いていたので、とにかく色々な場所で荷物チェックを受けました。明らかに観光客の装備としては過剰な風体でしたが、如何せん英語が分からないのでひたすら「sightseeing」の連打で乗り切ったのは若さですね。(誰も助けてくれなかった)
  • ナレーションを担当してくださったラッパーのS-WORDさんもバーチャが好きで、VF2の頃はよく渋谷の『みとや』でプレイされていたそうです。自分が通っていたゲームセンターの話が著名な方から聞けるなんて!

大塚ギチとの出会い

2021年の”今”に繋がる人物として、大塚ギチについて書いておきたいと思います。
大塚ギチはバーチャファイターを題材とした小説『トウキョウヘッド』を1995年に書いた方でして、先述の10周年DVDでも小説の一節を使わせてもらっていました。(2003年当時の電話対応はぶっきらぼうで最悪でしたがw)

僕は2004年にエンターブレインを離れ、それ以降はゲームメディアではない仕事をしていたんですが、2012年に大塚ギチと出会いました。
出会いの経緯をざっと書くと
2012年に開催されたVF5FS全国大会でちび太が優勝する
⇒ それを見たルパン小島さん(エンターブレイン時代の上司)が感動する
⇒ 「2013年はバーチャ20周年だ!何かやりたい!」とルパンさんが大塚ギチに相談
バーチャの世界に詳しい人間、ということで、僕が大塚ギチに紹介される
という感じ。『輪』っぽい話ですね。

なので、2012年~2013年にかけて、『トウキョウヘッド』の続編、20周年版を作るべく、たくさんのプレイヤーを紹介して『トウキョウヘッド』以降のバーチャファイターシーンを大塚ギチにインプットし続けました。
大塚ギチは『トウキョウヘッド』を書いた後はゲームの世界を離れてしまっていましたが、VFプレイヤーの話にとても興味を持ってくれていました。みんなの物語を俺が書いてやる、と。

ただ、結果的には2013年のVF20周年には間に合わず、形にまとめることはできませんでした。
そんな取材の中で彼が興味を持ったのが1997年~2001年に稼働していたVF3tbだったのです。

VF3tb再起動

VFプレイヤーの悟李羅☆影助ダビが語るVF3tbへの熱い想いが大塚ギチに刺さったんだと思います。

「VF3tbの大会をやりたいと思っているんだけど協力してくれない?」

下北沢の串カツ田中で飲んでいる時に相談されました。2014年の5月のことでした。

VF3tbに限らず、VFシリーズは最新作が稼働した瞬間にそれまで遊んでいたタイトルは基本的にゲームセンターから撤去されるものでした。「もっと遊びたい」という気持ちがあってもそれが叶わない。そんな不完全燃焼した気持ちを抱えているプレイヤーが他にもいるはずだ、稼働終了から10年以上経ってしまったいまこそ再起動する価値はあるんじゃないか、そんな話を熱く語られました。その頃、大塚ギチは高田馬場ゲーセンミカドに出入りしていて、過去作のゲームを遊び続けているプレイヤーの熱量に多く触れていたので、VF3tbでも同じように「何か面白いことが起きるはず」と感じていたんでしょう。

こんな経緯で高田馬場ゲーセンミカドにてVF3tbを稼働させ、2014年9月に新宿ネイキッドロフトにて『第1回VF3tb世界大会』を開催しました。

2021年現在もVF3tbの火は消えず、とうに現役稼働期間(1997-2001年の4年間)を超える7年目に突入しています。楽しんでプレイしてくれているみんなのおかげで盛り上がりが続けられていますが、その原点を作ってくれた大塚ギチの嗅覚には本当に感謝したいです。

いまはご時世的に大きめのイベントをやりづらいですが、落ち着いたら『第5回VF3tb世界大会』やりましょうね。これからも心が揺さぶられるような闘いをみんなで楽しみましょう!

町田アテナ

いろんな縁があって今の活動に繋がっているわけなのですが、原点となっている町田アテナの話も書き残しておきたいと思います。
VF界のメジャータイトル「ビートライブカップ」、その前身となっているのが「アテナ杯」という大会でして、東京・町田にある小さなゲームセンターで行われていました。最初は店舗で行われていたものが規模が大きくなりすぎて、町田店⇒市川店⇒ライブハウス⇒ディファ有明といった感じで開催場所が移り変わっていきました。(直近はTFTホールで開催)

僕が初めて町田アテナを訪れたのは1996年3月、第5回アテナ杯(VF2.1)の時でした。
地元・狛江のVF常連が大会に出る、ということで観に行ったのです。
狭い店内にギッシリ人が詰まっていて、いままで感じたことのない熱気だったことを覚えています。当時、自分はまだまだバーチャをやり始めたばかりでしたが、この店に通って強くなりたい、と思ったものでした。

タイトルはVF3に移り、町田にある予備校に通っていたこともあってアテナに通いつめ、早番店員の「ねぎやん」にスカウトされて常連に。

町田アテナ常連の先輩方はバーチャだけではなく、他の格ゲーもシューティングもパズルも、なんでも遊ぶ人が多かったので、自分も多くのタイトルを遊んでいた時期でした。ゲーセン以外での活動も多くて、ボーリング(月一で大会)や草野球(ユニフォームがワースタ90のブラボーズそのまま)もやっていました。いま思うとスナック常連の動きそのまんま、って感じですが、19~20歳くらいの若造には刺激的は日々でした。刺激的すぎて大学ではなかなか友達できませんでしたが。

バーチャに関しては、店長だった山岸さん、キャサ夫さん、ちび太との縁ができたことが大きくて、やっぱり今に至るまでところどころ繋がっている感じです。

この頃の話はとても書ききれないので、動画も見ていただけると嬉しいです。

VF3tb勢のザ・ゲリラとふじごーが頑張って運営している『VFショッキング』というYouTube企画がありまして、次回更新で僕が出ます。
チャンネルはこちら⇒VF3tv
収録したのが結構前なので、正直何を話したのか覚えていませんが、
町田の話とか若いころのバーチャ話をしているので、良かったら見てください。
多くのプレイヤーの話が聞けてオススメです!

あとは山岸さんが毎週執筆しているメールマガジンのスタッフもやっています。
マルワイヘッドラインというメルマガです。
独特の視点や言語感覚を持っている山岸さんがゲームセンター事情や時事、バーチャやスポーツ、音楽について発信しているメールマガジンです。
山岸さんを昔から知っている人や池袋ミカドの配信で山岸さんに興味を持った方、是非一度お試しでご覧になっていただけると嬉しいです。(これも山岸さんの年金になります)

最近ちょっとスゴイなと思った話

ブログのタイトルが『ゲームの輪』ということで、最近知った『輪』のお話です。

山岸聖太さん、という映像ディレクターの方がいます。現在は色々なアーティストのMVだったり映画を撮られているのですが、実はエンターブレインの映像企画部にいた方で、先ほど紹介した『VF10周年DVD』のディレクターなんですね。

その山岸聖太監督作品が最近発表されました。

グラップラー刃牙はBLではないかと考え続けた乙女の記録ッッ

番組説明に ” これは、漫画「刃牙」シリーズに濃厚なBLの可能性を見出し、その妄想に取り憑かれた一人のBL格闘家の、壮絶な闘いの記録である。” と書いてあるような、なかなかインパクトがある内容なのですが、注目したいのは脚本のところです。

なんと、ヨーロッパ企画の上田誠さんが脚本を担当されているんです!

ヨーロッパ企画の上田さんと言えば、大塚ギチ原作の『トウキョウヘッド』を舞台化された方!

『VF10周年DVD』のディレクターと舞台『TOKYOHEAD』の演出・脚本のふたりがタッグを組んで、描かれるのが刃牙の世界!
どうですか?興味あるでしょう?
バーチャという共通ワードがあるふたりの作品がどうなるのかとても楽しみにしています。

見つけたときにすごく興奮した『輪』のお話でした(笑)

最後に

さっきから名前が出ている大塚ギチですが、2019年5月に亡くなってしまいました。
『トウキョウヘッド』の続きで書けたのは、舞台のパンフレットに掲載されたキャサ夫編だけでしたね。あれだけ多くのプレイヤーを紹介したのに(笑)

このまま『トウキョウヘッド』の続編は作ることができないかな、と諦めていたところ、縁があった作家の海猫沢めろんさんが協力してくださることとなって、現在『トウキョウヘッド』の続編の制作を進めています。
大塚ギチの『トウキョウヘッド』はVF2で終わっていますが、その後の話を紡いでいければ、と思っています。こちらは今年の秋くらいを目標に作っていますので楽しみにしてくれると嬉しいです。

あと、バーチャと言えば、本日(5/27)になにか発表されるみたいですね。VF esports
ゲームセンターで育ってきた人間としては、ゲームセンターにも良いことがあるような発表だと嬉しいな、と思っています。いままでVFシーンを支えてくれてきた人が喜ぶような内容だといいなぁ。

さて、次のバトンです!
VF業界が盛り上がるタイミングだと思いますので、バーチャ勢に回したいと思います。
そこで、『第1回VF3tb世界大会』で見事優勝を果たした悟李羅☆影助にバトンを託します!
新作発表という絶妙なタイミングで溢れるバーチャ愛を存分に語ってもらえることでしょう。
それじゃ影助、よろしく!!