中年とゲーム

親しい方々にはバーチャ勢として認識頂いている情報屋です。初めましての方もどうぞよろしくお願いします。今回一緒にevo2019に参加したでーち君からこのブログのバトンを受け取りました。初めましての方や、あまり自分をよく知らない方のために簡単に自己紹介させていただきますと、今年43歳のいわゆるゲーム好きなサラリーマンのおじさんです。

でーち君からバトンを受け取った流れやタイミング的にどうしてもevoの話からになってしまうのですが、今回参加したevoには一度3年ほど前に参加しまして、良い経験をさせてもらいました。evoの参加だけでなく、取り組みも含めて、今でも自分の良い思い出の一つになっています。その時の取り組みについて、以前にこちらの長文を書いた所、ありがたい事に多くの反響をいただきました。

https://note.mu/johstar_tw/n/n8271c78a4c57

多くの反響をいただいていたので、その後の心境みたいなものもどこかで書くべきかと何度も考えたのですが、何をどう書いても中年の自分語りになってしまいそうだという気持ちがよぎり、そんなことを考えているうちにあっという間に時間が経ってしまいました。今回このような機会を頂きましたので、前回のevo参加から3年が経った今、改めて参加しようと思った心境を少し綴らせていただこうかと思います。またちょっと長くなってしまいそうですが、こんな人もいるんだな、とご笑読頂けましたら幸いです。

前置きの時点ですでに長くなりましたが、今改めて3年前の事を振り返ってみると、当時自分はこの先の人生でのゲームとの向き合い方を改めて確認したかったんだな、と思っています。もう少し掘り下げてみると、やはり40歳という人生折り返し地点、この先本気で趣味としてゲームに向かい合っていく覚悟があるのか、という事になるのですが、その結論はもう自分の中では明確になっており、「絶対手放さない一番の趣味」と胸を張って言えるつもりです。

その上で、今後どんどん年を取っていく自分がどんなスタンスでゲームに向き合うのが良いのか、という事をずっと考えていました。スト5に関してはこの先続けて、さらに高みを目指したいという気持ちも勿論あったのですが、自分の正直それほど大きくもない器でこの先を目指すには、より多くの事を犠牲にしないと登れない山だと思いまして、スト5は競技シーンとしては折り合いを付けようと考え、一段落つける事にしました。

とはいえゲームを止めるという話ではなく、新作が出ればそこそこには取り組み、合うと感じたゲームは出来るだけ掘り下げてプレイしたりもしていました。昨年発売されたソウルキャリバー6もそんなタイトルの一つで、発売時は自分も大きな情熱があり、夢中でプレイしていたのですが、出張や家庭の事情でゲームに触れられない日が続いてしまい、次第に情熱の火が小さくなってしまいました。

前回2016年のevoに挑戦した40歳の時にもやり込みの限界は感じていましたが、さらに3年が経ち、毎日過ぎていく時間が加速していく中、ゲームを趣味として生きていく上で、かけられる時間と情熱に限度がある事にどう折り合いをつけていくのかは、今後の人生で重要な課題だなと感じるようになりました。

さらに過去に読んだビジネス書で「人は自然と合わないものを手放して生きているが、人生後半からは能動的に手放していき、得意な分野や集中すべき分野を選択していく時間だ」という事が書かれていた事を思い出しまして、「ああ自分にもこういう時が来ているのかな、若い頃に周りを全く見ず、毎日ゲームセンターに通って、ただただ夢中に、迷いなくゲームに時間を費やす接し方はもうできないんだな」とも感じていました。

そんなやりこみ不足と煮え切らない心境の中ではありましたが、ソウルキャリバー6がevojapan2019のメインタイトルに決まった瞬間から、これだけは絶対にと決めていましたので、友人達と参加する事にしました。

友人には本当に恵まれておりまして、ゲーム上手な周囲の友人達は色々なところから注目を浴びる程、ソウルキャリバー6でも結果を出し始めていました。彼らはただ単純に人間性能が凄いだけでなく、やりこみと情熱を傾けており、その事自体が本当に凄い事なのだと思います。

そんな状態で参加したevojapan2019。

そこにあった国境を越えた熱気、情熱、出会い、賞賛、そして涙。

熱にあてられたと言ってしまえばそれまでなのですが、こんなものを感じてしまっては、(単なる自分のわがままなのですが)ここまで情熱を燃やした友人達が世界を舞台に活躍する姿をどうしてもこの目で見たい、と思うようになりました。

とはいえ、ゲーム業界に身を置いているわけでもないですし、単なるミーハーおじさんでevoに行くには少し動機が弱いかなとも思っていました。(あくまで自分の考え方なので補足しておきますと、evoそのものは参加するだけでも充分に楽しめるイベントです)

evoに参加されるような方は、evoを目標に頑張って、出来る限り上を、優勝を狙いたい、という気持ちで参加される方が多いのだと思います。それ以上でも以下でもなく、「ゲームをやり込んでいるから」というモチベーションでevoに参加するのが普通でしょうし、自分も若い時はそんな真っ直ぐな気持ちでよかったのだと思います。ただ、今の自分はそれで行くのは良くないな、その動機は今の自分が持つべきものではないなとも思っていました。何故ならば勝利が絶対的な目標で、勝てないという気持ちがあるのであれば行く意味を失ってしまうからです。

というわけで色々考えましたが、考え方を切り替えて、勝利に貪欲になるのではなく、大人の趣味の一つとしてあえて国際大会に参加、観戦する、という楽しみ方を自分から能動的に選択するのも、自己肯定感を持てる考え方かなとも思い、参加することにしました。それだけでなく、こんなおじさんが行くのだから、自分がプレイする以上に、evoのようなイベントを通して、国際的にプレイヤーの交流の幅を広げる手助けが少しでも出来たら、これも素敵な事だなと感じていましたので、自分が出来るだけのことはやってみようとも思いました。

そんな思いで今回のevo2019に参加しましたが、結果は既に皆さんご存知の通りで、本当に熱い戦いに参加、観戦して、心の底から行ってよかったと思う旅行になりました。evoというイベントに対して受け身になるのではなく、能動的にやりたいことを選択して行った事で、大人の楽しみ方が出来たのではないかなと考えています。

これからの人生、現役世代として益々忙しくなっていくでしょうし、今後のゲームへの接し方もこれからまだまだ自分を変化させていかないといけないのだと思います。日本ではまだ偏見や悩みが残るゲームという趣味への付き合い方として、ここまで読んでいただいた方に何か少しでも伝わるものがあれば嬉しいです。もちろんこれからもゲームは絶対続けます!

結局堅い話になってしまいましたので、少し違った路線を期待して、大阪のキャリバー勢のあかじゃさんにバトンをお渡ししたいと思います。あかじゃさん、よろしくお願いします!