はじめまして、178(いなば)と申します。
Capcom vs SNK2(カプエス2)に人生の半分を費やしました。
バトンを回してくれた霧斗さんともこのゲームで出会い、
当時まだ珍しかった通信対戦で盛り上がりすぎてKDDIからの請求額が
ひと月でン万円になった同志です。
RNは本名とは関係なく、ゲームのエントリー画面で
「英数字3文字でなんか入力しやすいの無いかなー」
「B‘z好きだしこれにしよか」
と軽く選んだものでした。
なお3rdのダッドリー使いの方と被ってしまったようで改名しようかと思ったのですが、メインのゲーム違うし自分はそこまで有名になる事も無いだろうと、そのまま名乗り続けてしまって今に至ります。直接の面識はありませんが、ご本人に「なんだこいつ」と思われていたら大変申し訳ない。
一生ダッドリー選択しないので勘弁して下さい。
~ゲームとの出会い~
生まれてから高校卒業まで、長野の片田舎に住んでいました。
徒歩5分程のところに、ボウリングやパチンコが併設されたショッピングセンター的な店があり
そこのゲームコーナーがテーブル筐体10台以上とクレーンゲーム、謎の旗上げゲームやモグラ叩きなどが置いてあり、ちょっとしたゲーセンくらいの規模でした。
親と買い物に行くといつも、そこで「クォース」のデモ画面を延々と眺めている純真な少年でした。
自分では記憶にないのですが、ハイハイから歩けるようになったばかりのある日
親が「うちの子が家から居なくなった!」と大騒ぎしてたら
その店から「お宅のお子様がひとりでゲームしてんぞ」と電話があり、
コインも入れずガチャガチャしていた無垢な178少年は、心配して迎えに来た親に
「もうまんぞくしたからかえる」と言い放ったそうです。
~人生を変えた誕生日~
そして小学校高学年になったころ、ゲームコーナーに「ストⅡ」が置かれていました。
なけなしの100円を投入しても、もちろん必殺技なんて出せないし
ジャンプ攻撃から足払いを出されたらガードできません。
でもCPU戦だけで楽しくて、四天王が出てきたけでテンション上がり
クリアしただけで友達に自慢できるような時代。
対人戦なんて考えてもいなかった中でたまたま、本当にたまたま
「好きなソフト1つ買っていいぞ」と言われた自分の誕生日に発売されたのがスーファミ版のストⅡ。
その日から、「友達」はみんな「対戦相手」に変わり
人と対戦する楽しさでしか得られない脳内麻薬に依存していきます。
~青い袴のアメリカ人~
中学生になった頃、自分ともう一人だけNEOGEO本体を持っていた友人がいました。
自分の家では真サムやKOF94、そいつの家で餓狼SPや龍虎2で対戦する毎日。
そんな日々の中で、お決まりの「儀式」がありました。
外も暗くなってきて「そろそろ帰らなきゃな」って雰囲気になった頃、ラスト1戦は必ず餓狼SP。
拍子木の音とともにフスマが開いていき、「デーン・・・」という一瞬の静けさの後に床から上がっていくカメラワーク。現れる互いのキャラ。
格ゲー史上最高のステージ演出の一つですが、この時すでに友人との勝負は決まっていました。ギース同キャラ戦、青いほう(2Pカラー)の取り合いです。
当時は2色のどっちか、だったので先に選んだもん勝ちでした。
カプエス2の場合だとキャラクターの色は6ボタン+PPP同時・KKK同時押しで計8色のパターンがあるので、
他の人と被らないように選んだりできるのですが
そんな今でも青ギースの人気は高く、自分以外にも何人かそのカラーをメインにしてる人が居ます。
大会等でそういう人と当たった時は、ジャンケン勝てたら意識して2Pを選択しています。
カプエス2は特定状況において2Pプレイヤーのみが画面端で裏回りできたりと、2P有利と言われるゲームですが
何よりカーソルの初期位置がギースに近いんです2P。
キャラとしても人気のあるギースですが、最大の魅力といえばレイジングストーム。
見た目が良いのはもちろん、コマンドまでかっこいい。あと減る。
テンキーで表すと1632143+P
餓狼SPでは、よくこんな変なコマンド考えたなって技も多いですが
特にこの技、なんか「気」の流れをそのままコマンドにしたみたいな入力じゃないですか?
ただ、出すだけでも難しい技なのに、対空以外の使い道がほぼ無い。
ロマン技と言って良いでしょう。
じゃあ勝つために使いにくいものは諦めて他の強い部分を前面に出して動かすか?
カプエス2のギースにはもう一つ「デッドリーレイブ」という非常に強力な超必殺技があり、
それだけ狙ってても十分強いキャラです。でもなんとかレイジングストームを当てて勝ちたかった自分は
最終的にレイジングストームを当てるにはどうすればいいか、から立ち回りを考えるようになりました。
「対空にしかならないなら、地上戦を超がんばって飛ばせよう」
「コマンドが長いなら、いろんなとこで途中まで仕込んでおこう」
「判定が真上にしか出ないから、あらかじめ前に出て相手のジャンプの真下に入っておこう」
「いま相手が飛んだら絶対これで落とす」瞬間を、そこかしこに作る。
そんなスタイルを追求し続けた結果、対空レイジングが自分の代名詞的なものになりました。
ちなみにコマンド自体は餓狼SP時代にCPU戦でひたすら繰り返したため、1P側ではほぼインスト通りの入力をかなりの速さで出来ますが
2P側はそうでもないです。
こっちに居る時は飛んでこないでもらえますかー。
~「この一点読みが通れば・・・!!」が通った時の魅力~
一見使えなさそうなものを使えるものにするための思考は、結果として、対戦をする上での「勝ち筋の組み立て」に役立っています。
カプエス2稼働当初から、自分は「強豪」と呼ばれるほどの実力もなく
格上に挑んでは先鋒・中堅キャラが封殺されて大将ギースが瀕死の状態から相手の残り2~3キャラを倒さなくてはいけない、という状況をさんざん経験しました。
残りタイムやゲージ状況、体力差や画面位置など様々な情報を整理して、
「次のチャンスでこれを通せば勝てる」
「そのために足払い一発当てて転ばせる」
「だから他を捨ててでも絶対差し返す」
というように、勝ちに至るための逆転劇の第一歩を、
たまたま来るチャンスを待つのではなく自分から狙って試合計画を作る、という考え方が染みついています。
闘劇出場や大きい大会での優勝などの結果は出していないわりに、
有難いことに自分のプレイが他のプレイヤーの記憶に残ってくれているのは
そうやって勝ち方を組み立てた結果がうまくいった時に、
印象に残りやすい逆転劇や、いわゆる「動画映えする」ような勝ち方を意識して作ってきたからではないかと思っています。
ちなみに負ける時は特に何も起きずにサラっと負けるので、
「負けても記憶に残らないけどたまに勝った試合がやたら印象深い」という都合のいい事になっています。そこまで狙ってるわけではないんですが。
~稼働21年目のゲーム~
カプエス2稼働当時の自分はまさか20年後も同じゲームをやり続けてるなんて思ってもみなかった事でしょう。
いや「一生トレモできるわー」くらいは言っていたかも。
トレモステージの曲とカチャカチャ音が、いつの間にか胎児の頃の記憶と混ざって
睡眠導入環境音(ヒーリングミュージック)となっていたり。
今やプレイできるゲーセンも限られ、その中でさえもNaomi基板の寿命でエラーが起きたり
モニターのブラウン管のほうが寿命を迎えてきたりとプレイヤーに負けない勢いで高齢化しているゲームですが
今後も動いてる限りはカプエス2をやり続けていくんじゃないかと思ってます。
あ、まさかのまさかで3が出たらショックで転生しちゃうかも。
そういえば現代の最新の知識とスキル持ったまま格ゲー黎明~全盛期の世界線に転生しちゃったマンガとか見てみたい。
脱線したところで、私の話はこの辺りにして次の方にバトンを回したいと思います。
カプエス一辺倒だった自分とは逆に色々なタイトルでトップレベルのやり込みを見せてくれる、ナカニシさんにお願いしています!
カプエスでのプレイスタイルもすごく好きだったので、どんな話が出てくるのか今から楽しみです。
それでは、長くなりましたがお読み頂いた方、ありがとうございました。
次の機会があればカプエスのターンパンチについて小一時間語らせて下さい。