この年齢になって気づいた大切なこと

日頃お世話になっているケンちゃんからバトンを貰ったので重い腰をあげて久しぶりに筆を執ります、先日37歳になったばかりのコイチです。
ファミ通や4gamerでは”コイチ”名義、ゴジラインでは”ナカジマ”名義でフリーのゲームライター活動をしています。格ゲー攻略を書くのは好きなのですが、自分語りは苦手なので拙い文章になると思いますが、お時間ある人はどうぞお付き合いください。

コイチって誰や

格闘ゲーム好きが高じてゲーム攻略やゲーム解説の仕事をさせていただいているように見えて、その実態は都内で働くただのIT系サラリーマンです。コスプレイヤーじゃありません。おれが格闘ゲームを本格的に始めたのは小学生高学年時代。ホームゲーセンは柏マルイの地下、通称「マルチカ」でした。ストIIをはじめ、カプコンVSシリーズ、ガロスペ、KOF94といった良質なクソゲーが溢れていた90年代当時。月のお小遣いが500円だった自分が大事な50円をどうやって長く遊ぶか、考えた末にたどり着いたのが”ハメ”でした。待ち、永久、即死、バグ上等の各種ハメを駆使して連勝する小5のわい。当然、対戦相手はキレて怒号と共に怒り散らしてくるのですが、座っているのは小さいガキ。喧嘩を売るにも売れないキッズはいつしか「柏のハメ小僧」と呼ばれるようになります。元々レベルの高いゲーセンというのもあり、居場所ができたハメ小僧は学力の低下と共にメキメキと格ゲーの実力をつけました。

少年時代からゲーム以外趣味も取り柄もなかった自分がこれまで生きてこられたのも、一重にいつもどこかで”ゲームの輪”に助けられていたからだと思います。そんな自分の周りにできたいくつかの”輪”をご紹介します。

アルカディアの輪

20代の頃は仕事帰りは必ずといっていいほどゲーセンに寄り、終電近くまで毎日対戦する生活をしていました。そんな中、当時アーケード専門誌である「月刊アルカディア」のライターをしていた友人A氏から、「BBCSのムックを一緒に作らないか?」というお誘いをいただきます。元々ブログをしていた頃にゲーム攻略は書いていたし、長年ゲーメスト愛読者だった自分がその後継誌であるアルカディアのライターになれるとなれば、断る理由はありません。忘れもしない、ただの趣味だった格ゲーがお仕事になった瞬間でした。

それからは仕事が終わるとゲーセンの代わりに九段下にあったエンターブレインまで自転車で通うようになります。毎晩遅くまでアルカディア編集部でゲームをして、画像撮影を行い、家に帰ってからは原稿を書くというめちゃくちゃな生活でしたがとにかく楽しかった記憶だけが残っています。が、楽しい時間というのはあっという間でアルカディアは2015年に刊行終了となります。アルカディア編集部も閉じることとなりおれ達の遊び場も消えてなくなりました。しかしこの喪失感があったらから故、後に「ゴジライン」という謎の団体を生み出すこととなります。

ゴジラインの輪

元アルカディア編集部メンバーは基本どんなゲームもとりあえず買って遊んでみる雑食ゲーマー揃いだったので、新作が出るたびに「おら!対戦するぞ、買え!」とLINEのグループにゲームのレシートを貼り付けてくる日々。だいたい賞味期限3日程度のクソゲーなんですが、たまに本当に大当たりのゲームが出たときなんかは、ブログやSNSで攻略記事や動画をアップするということをしていました。そして2015年9月に思い出のゲーム『聖闘士星矢 ソルジャーズ・ソウル』が発売されます。これがもう、面白くて面白くて。ハチャメチャなゲーム性なんだけどやりこみが出るし、どのキャラも味があって戦えるというマジモンの神ゲーだったんです。この面白さを大勢に伝えるにはどうしたらいいのか?と考えた末に出来たのが、『ゴジライン』というゲーム攻略サイトでした。

その後、今夜勝ちたいストV攻略をきっかけに多くの人に読んでいただけるようになり、ゴジラインメンバーとゲームしたい人、という条件でLINEグループを募ったところ、2日で200人が埋まるという事態に。このLINEグループは3年経った現在も絶賛活動中で、ゲーム対戦相手を募集したり、週末はオフで遊びに行ったりと、想像していなかった遊びの広がり方を見せてくれてました。30代になってからできた一番大きな”ゲームの輪”です。

ビジネスの輪

これは本当に自分がラッキーなだけのような気もしますが、ゴジラインを始めてから、企業様から公式で仕事をいただけるようになりました。別にゲームがべらぼうに上手いわけでも、話が特別面白いわけでもない自分ですが、文章を書くことや配信に出るのが人より少しだけ好きなのが良かったのかと思います。一度企業に使ってもらえるようになると、あらぬ方向から次の仕事が降ってくることも多く、昔からは想像もしていなかった体験が舞い降りてきます。柏マルチカで大門の無限投げしてたハメ小僧に「お前将来ネオフリライターになってるんやで」って言っても当時の自分は信じないと思いますし(笑)

何が言いたいのかというと、「自分の好きなことは、アウトプットしたほうが良いよ」ということ。ふんわりとゲームをしていただけでは多分こうはなれなかったと思うし、アウトプットしていなかったら今のこの輪は存在してなかったと思います。

どこかでつながるゲームの輪

長々と自分の半生を書いてしまいましたが、読み返すとこっ恥ずかしいのでこのままアップしてしまいます。要約すると、

好きなことに打ち込んでいればそれは自然と輪になって、一度できた輪は絶対消えずに、必ずどこか別の輪とつながっとるよ

ってことを言いたかったんです。この歳になってやっと自分も気がついたんですけどね(笑)
ということで次回は、30代後半仲間、兼プロゲーマーとして活動している”伝説のオタク”氏にバトンを渡します。プロの中でも最も奇人かもしれない伝タクの文章、震えて待ちましょう。